ちょっと隣街まで

推しを応援するオタクの顛末

推しに超売れちゃってほしいって話

はじめまして。


私は、愛知は名古屋を拠点に活動するエンターテイメント集団 BOYS AND MEN(通称:ボイメン)の、テーマカラーピンクの本田剛文(ほんだたかふみ)さんを応援している関東在住のオタクです。


私が推しを応援しはじめて、もうすぐ丸3年になります。 この年数が長いのか短いのかはわからないけど、ここまでそれなりに色々なことがあって、ファンとして一所懸命に乗り越えてきたなあと思っています。激動だった。なんやかんや応援している間にボイメンはちょくちょくテレビに映るようになり(名古屋にはレギュラー放送の番組が何本もあるけど、私の住む地域で見られるものは限られている)、大きいイベントにたくさんお呼ばれされるようになり、彼らは移動に新幹線を使えるようになりました!すごい! 


あの頃は〜とか言うと長いことファンやってるんだぜ!みたいに自慢めいて聞こえてしまうかもしれないけど。私が応援しはじめた当初、ボイメンのライブにいくと普通に「名古屋から全員で車に乗ってきました!」とかMCでばんばん言ってて、過酷すぎない!?って衝撃を受けたのは記憶に新しいです。メンバーみんなして朝の4時とかにブログ更新して、今から向かいまーす!なんて言うから、関東のオタク仲間たちと毎回毎回、もうライブ会場の出口に交通費カンパの箱を置いとこうよ!!私たちで新幹線のチケット買おう!?とか話してました(冗談の範囲で!)。だから、日々メンバーが当たり前に新幹線に乗っていたり、お仕事が安定していそうな雰囲気を感じたりすると、なんとなく誇らしい気分になる。  


私たちファンの積んだCDの標高と比例するように、刻々と、わかりやすく状況が上向いていきました。その期間ってもう、超〜〜気持ちよかった。もちろん売上だけが要因じゃなくて、メンバーの実績とか、彼らを売り込んでいる大人たちの頑張りがめちゃくちゃ、計り知れないくらい大きいこともわかってます。でも、好きなコンテンツにお金を出すことは「次につながる」ということなのだと、この数年間つねに実感しているのも事実。


そうすると欲が出てくる。私が私の世界のなかでいちばんかっこいいと思っている推しに、平たく言うと超有名になってほしいなって思ってしまうんです。推しは宇宙でいちばんかっこいいと思うから、もっともっとたくさんの人の目に留まるべき。見つかるべきなんです。 


それで、有名になってほしいって思うと同時に、現状と理想をどうしても見比べてしまう。これも勝手なんだけど。最近ずっと、めちゃくちゃしょっぱい気持ちになっているのは、今月から始まるツアーのことです。東京を皮切りに、愛知、大阪、北海道、福岡という5都市をまわって公演を行います。私の推しの本田くんは内部ユニットの『誠』で、東名阪をまわる予定です。この超絶楽しそうなスケジュールの、いったいなにがしょっぱいか。ダイレクトに言っちゃうんだけど、東京公演のチケットの売れ行きがしょっぱい!!オブラートとかに包んでる場合じゃない!!とにかくしょっぱいのです!!困った!! 


メンバーが東京やら名古屋やらで、手売り販売会をばんばんやるくらいのしょっぱさ。決して暇ではないメンバーが、お仕事の合間に時間を割いて、直々にチケットを売りにやってくるのです。名古屋はさすがの即完売だったから、知名度と人気の地域差をいやでも見てしまって、「関東在住のファン」をやっている私は勝手にダメージを受けました。Zepp Tokyoのキャパシティは約2,700人。その完売を目指しているようです。


手売り会初日は、整理番号1,700番台からの販売でした。プレイガイド分は抜いているとして、あと何枚売れば「成功」なんだろう?私は海水を2リットルくらい一気飲みしたみたいな気分になりました。


推しがかわいいから、推しが名古屋を飛び出してこちらにきてくれるから。オタクというのは現金で悲しい生き物なので、(私の場合は)手売り販売会のタイミングが合う限り、いそいそと現場に足を運んでしまいます。そして、胃をキリキリさせながら、すでに行く予定でチケットを抑えてるのに、もう1枚チケットを買う。買ったチケットに、丁寧に名前を書き込む(メンバー直々に、チケットに名義をボールペンで手書きしてくれる)推しは愛しいし、いつもより長くお話しできるのも楽しい。推しはやっぱりかわいい。


 でも、手売り会に行った帰り道、あー正しくないな!って自己嫌悪におちいってしまうのです。正直なことを言うと、私は現時点(公演の1週間前)でチケットをだぶつかせています。私と同じような人がどれだけいるんだろう。そんな手売り会をやってなんとか2,700枚、完売までこぎ着けて、いったいその実どのくらいの人が実際に足を運んでくれるんだろう。「完売」したとしても、「満員御礼」じゃないじゃん。って違和感がぬぐえなくてしんどい。いっそ当日お台場にいる人に「いまから2時間くらいお暇じゃないですか!?」とか言ってチケット押し付けたいけど、チケットに本名バーン!って書かれちゃってるからそれも無理!オタク八方ふさがり!まあ自業自得だよねOK!  


このツアーがすべて終わったら、もうナゴヤドーム公演が目の前って時期じゃないですか。私もうすでに超不安なんです。正直。どうせやるなら、会場いっぱいにして大成功~~!って終わってほしい。ファン心理として当たり前です。最大級の達成感で、宇宙でいちばんキラキラしちゃってる推しの姿を見たい。絶対かっこいい。想像だけですでにもう大好き。そんな推しを見て、ピンク色のペンライトを4本ぶんぶん振る私はきっと世界一の幸せ者になれる。


でも、その公演の約半年前の現在、あれこれ思い浮かべる理想の未来にモヤがかかりまくってるんです。日々、『ナゴヤドーム ライブ キャパシティ』とかで検索して、会場のどでかさとキャパシティの広さで怯んでいます。ここから状況が変わらなかったとしたら、彼らが、私たちファンがどんな戦い方をすれば、この公演に勝てるのだろう。   


 

こんな感じのことをぐるぐる考えながら行った先日の手売り会で、モヤモヤをぬぐいきれなくて、私はあろうことか推しに「超有名になってください!」って言いました。もはや呪いの言葉です。ファンの重すぎる理想とか期待は、抱えていても推しには言わない方が良いなっていつもは思っていて。そういう謎の自分ルールで、普段はとんちんかんなネタを仕込んだり、とにかく楽しそうで愉快なオタクでいようって思ってお喋りしています。だから、こういうことは初めて言いました。言ってしまった。そしたら推しは、「いつかはオーランドブルームぐらいになるでな!末長くよろしくたのむよ!」って言ってくれました。おそらく沈んだ顔をした私を笑わせようと、冗談として言ってくれたんだと思うんですけど、あのとき私は普通に超感動してしまったんです。目の前にいる本田くんが超誇らしかった。そして本気でそのぐらい有名に、世界中の人に知られるくらい大人気になってほしいって、改めて思いました。それまでは応援したいなって本気で思いました。  


だから、今回のライブのチケット、本末転倒だけど、空虚かもしれないけど、どうしても完売してほしい。今回のライブが内容も売り上げも大成功して、なんとかして次につながってほしい。推しがてっぺんへの階段を一段飛ばしでのぼっていくのを眺めたいんです。(ファンが頑張って買う)手売りが正しいのかどうかは色々考えすぎてもうわからないけど。  


そんなツアー開始1週間前です。 


尻切れとんぼ!おしまい!